やっぱり狂っていると思う。原因は私たちに?


マークシート試験に使うために100均に行って鉛筆買って来ました。
1ダースで105円。紙箱入り。ご丁寧に先が削ってありました。

どうすれば105円で作れるのだろう?
MADE IN CHINA
店のマージンは?流通コストは?
もし、障害者の作業所で箱折、箱詰めしたら、一箱何銭になるだろう?

材料だって100円じゃ手に入るかどうかわからない。、芯や木の加工、さらには消しゴムまでついている。
絶対に価値が歪んでいる。

いくら国外生産でコスト切り詰めるといっても・・・。
誰かが泣いているんだと思う。

日本で障害を負って、作業所で働く。その低賃金は知らない人が聞いたらショックを受けると思う。
でも、この鉛筆はその低賃金とはさらに段違いの低賃金で作られてるのは確かだ。生産効率の追求にも限度があるだろうし。

日本での貧困が問題になるけど、世界規模で見たときの貧困は日本国内より格段に厳しいのだろう。というか、想像を絶しているはずだ。分かっていたつもりだったんだけど、あらためて考えると恐ろしい世界に住んでいるのだと思う。

近所の知り合いの家に行ってパソコンを1時間ほど教えて1000円の駄賃をもらうというのはこの鉛筆を前にすると罪悪をなしているような気になってくる。

ワーキングプアの問題は深刻だ。私も貧乏だ。でも、他人の貧乏の上にあぐらをかいている貧乏なんだと思う。作業所スタッフはかなりの低賃金。作業所メンバーはさらに段違いの低賃金(工賃)。国外ではさらにさらに・・・。
日本国内だけで問題を考えると、多くの人が低賃金で長時間、ボロボロになるまで働かされて、まさに貧困に苦しんでいるのだけれど、その貧困はもっと強烈な日本国外の貧困の上に成り立っている。さらに自分が確実にそれに加担している。

この鉛筆を作った人は幸せに暮らしているのだろうか?
国外だけでなく、国内でこれの販売、流通に関わる人にも相当厳しい負荷をかけてるだろう。そしてそれが連鎖している。相対的貧困というやつに苦しめられている私たちは、100均の製品群を前に自分の貧困をどこまで主張するのが許されるのだろう。でも、主張なしには自分の幸せはつかめない。・・・という気がする。

この仕組みの中で利益を出して儲けているひともいるのだろう。
この鉛筆を作ることで賃金を得て暮らしが成り立つ人もいるわけだし。
そして、私も貧乏なりに「豊かに」暮らしている。日ごろ自覚できないけど。
そういうルールの社会だからルール違反さえなければいいのだろう。・・・いいのかなあ。
私は今、とっても嫌な世界に住んでいる気もする。

最近、たとえば中国製品の品質に関して問題となることが多いけど、品質管理に対して十分な対価を出して無いせいじゃないかと思う。物価が上がるのは嫌だけど、必要な対価は払わないとフェアではない。でも、払うほどの余裕がワーキングプアにはない。ワーキングプアの発生には生産の場が海外に移されたことも絡んでるし・・・。

狂ってる。何か狂ってる。私も狂ってる。

ずっと前から分かっていたつもりだったんだけど、あらためて思いました。
この鉛筆、大事に使おう。

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2008/12/15 AM0:30 追記
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081213_2gb_microsd/
もう品物の原価はどう計算しているのかわからなくなりました。
micro SD 2GBが105円って・・・

2 comments

  1. たあ坊 says:

    はじめまして。
    僕も作業所で働いていた時は、時給150円の世界でした。
    ロウソクを入れる箱折りの仕事や、焼き栗を入れる紙袋の折り作業なんかは
    業者から請け負うのですが、1箱4円とかの世界です。紙袋なんかは1時間
    かけても20枚ぐらいしか折れません。僕はすごく不服でした。でも、そんな
    仕事すら作業所間で取り合いなのが共同作業所の現状です。今は時給の
    安いアルバイトをしている私ですが、あのころから比べれば天国のようです。
    世知辛い世の中だと思いますが、精神障害者がもらえる仕事なんていうのは
    それ位なのが現状なんです。業者はそのタダみたいな工賃で作らせた箱を
    利用してお金儲けをしています。そんなもんなんです。

  2. あさ says:

    はじめまして。コメントうれしいです。

    私も作業所のメンバーだったころがありました。15年前です。日給100~300円。
    豆電球をソケットに取り付ける作業で、100個作って100円。手に血豆が出来るまでやって一日300円。不服ですが、作業所同士の取り合いに加えて作業所内でも仕事の取り合いでした。

    これから作業所は地域活動支援センターや就労継続B型の施設に移行してゆきます。
    特に就労継続B型では工賃のアップがメンバーからも行政側からも求められています。
    もう、内職仕事で運営していく時代ではなくなりつつあります。

    でも、内職の単純作業をやるのが精一杯の病状の方もいらっしゃるのも事実です。
    そのばあい、金銭的対価を求めるのが目的ではないんですよね。

    でも、いくらなんでも足元見られてるなあと、不快に思います。
    企業も厳しいのはわかるのですが・・・。

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